2/26(日)まで糸島の前原駅前のギャラリー
アーティステーション糸島で
開催されていた「有吉歸雲(きうん) 書展」に伺いました。
40年余り、福岡県の高等学校で書道の指導に当たられ、
退職後、本格的に書作活動を始められて10年とのこと。
どこの書壇にも属せず、独自の書の道を探求されています。
今回の書展で挨拶文に書かれていた言葉です。
「書を学ぶのではない。書に学ぶのである。」
「Nature is honest」
「あるがままに」
「死んでも残る作品を一つだけ」
そして、「いつ果てようとも」
先生と少しお話をさせていただいたのですが
作品は全て1枚しか書かないとのこと。
例えば「夢」という作品を書く場合、10枚書けば
10通りの違った作品ができるというだけのこと。
大量に重ねて書いてその中から1枚を選ぶことは
しないとおっしゃっていました。
それでもキラキラした作品が生まれるのは
もちろんこれまでに蓄積された臨書力と重ねてきた
時間や経験もあるのでしょうが、
本来作品とはそういうものなのかもしれません。
私も何枚描いても同じ形のコピーが増えるばかりで
しばらく離れて、ふっと書いた一枚が
一番魅力的だったりした経験があります。
書作は自身の目的や見せ方によっても変わるので
しょうが、やはり、作品を書いていると
こう見せたいとか、いろいろと欲が出てくるのが常。
ここで割れ線を出して、見せ場を作って…など
こねくり回すと「線」自体は鍛えられていくのかも
しれませんが、反比例して本来の思いからはどんどん
遠のいくのかもしれません。
商用の仕事ではクライアントのために書きますので
何度も推敲を重ね、お客様のために
ベストなものをと努力してバランスなど
細部にも気を配って制作していきますが、
自分の作品を書く時は歸雲先生の
ような姿勢を忘れずに水が流れるがごとく、
素直に作品と向き合えたらいいなと思います。
それがなかなか難しいのですが。
私も「死んでも残る作品を一つだけ」書きたいなぁ。
歸雲先生の作品は下記インスタグラムで↓
有吉歸雲instagram:kiun1230