太田さやか筆文字工房 墨技

太田さやか筆文字工房 墨技

〒819-1108
福岡県糸島市波多江駅南1-16-10-607
TEL/FAX:092-324-4595

ブログ

書のこと

書、人に語りかける

2/26(日)まで糸島の前原駅前のギャラリー
アーティステーション糸島
開催されていた「有吉歸雲(きうん) 書展」に伺いました。
40年余り、福岡県の高等学校で書道の指導に当たられ、
退職後、本格的に書作活動を始められて10年とのこと。
どこの書壇にも属せず、独自の書の道を探求されています。

今回の書展で挨拶文に書かれていた言葉です。
「書を学ぶのではない。書に学ぶのである。」
「Nature is honest」
「あるがままに」
「死んでも残る作品を一つだけ」
  そして、「いつ果てようとも」


先生と少しお話をさせていただいたのですが
作品は全て1枚しか書かないとのこと。
例えば「夢」という作品を書く場合、10枚書けば
10通りの違った作品ができるというだけのこと。
大量に重ねて書いてその中から1枚を選ぶことは
しないとおっしゃっていました。
それでもキラキラした作品が生まれるのは
もちろんこれまでに蓄積された臨書力と重ねてきた
時間や経験もあるのでしょうが、
本来作品とはそういうものなのかもしれません。

私も何枚描いても同じ形のコピーが増えるばかりで
しばらく離れて、ふっと書いた一枚が
一番魅力的だったりした経験があります。

書作は自身の目的や見せ方によっても変わるので
しょうが、やはり、作品を書いていると
こう見せたいとか、いろいろと欲が出てくるのが常。
ここで割れ線を出して、見せ場を作って…など
こねくり回すと「線」自体は鍛えられていくのかも
しれませんが、反比例して本来の思いからはどんどん
遠のいくのかもしれません。

商用の仕事ではクライアントのために書きますので
何度も推敲を重ね、お客様のために
ベストなものをと努力してバランスなど
細部にも気を配って制作していきますが、
自分の作品を書く時は歸雲先生の
ような姿勢を忘れずに水が流れるがごとく、
素直に作品と向き合えたらいいなと思います。
それがなかなか難しいのですが。

私も「死んでも残る作品を一つだけ」書きたいなぁ。

歸雲先生の作品は下記インスタグラムで↓
有吉歸雲instagram:kiun1230


Posted in 書のこと コメントをどうぞ

桑樹展 始まります

14年前からデザイン書の糧になると思い、教室に通い勉強し始めた古典書道。
その教室の作品展が明日9/3(火)から六本松のNHKギャラリーで始まります。


師匠の岡 桑玄(そうげん)先生を筆頭に35名の作品が展示されます。
今年のテーマは「令和を迎えて」。
新たな時代を迎えての思いや決意、目標などなど…
さまざまな作品が並びます。
会期中は毎日1日2回、11:00と15:00から、
岡先生によるすべての作品の解説が聞けますよ。
これを楽しみに毎年足を運んでくださる方もいらっしゃるくらい。

お時間のある方は是非おいでいただければうれしいです!

第22回 桑樹書展 〜令和を迎えて〜
9/3(火)〜9/8(日)10:00〜17:00(最終日は16:00まで)
NHKギャラリー
福岡市中央区六本松1-1-10NHK福岡放送局2F




Posted in 書のこと コメントをどうぞ

桑樹書展、始まりました!



今日から大濠公園そばのNHKギャラリーで
書道の社中、桑樹の「桑樹書展」が開催されています。
今回で21回目となる毎年開催されている作品展で
老若男女39名の作品が展示されています。

こちらはデザイン書道ではなく「書道」の作品展。
私も所属させていただいて、今年で13年目になります。

書道の作品展というと…
長文の文字が並んでいる、読めない!どれも同じに見える!などと
イメージされることも多いと思いますが
桑樹展は違います。毎年テーマが与えられ、
それに添って各々が自分の思いを作品にしたためています。
期間中1日に2回、主宰の岡 桑玄先生の作品解説が名物で
これを楽しみに毎年足を運ばれる方も多いのです。

芸術の秋。
みなさま、是非足をお運びくださいませ♪


第21回 桑樹書展
9/11(火)〜9/16(日)まで
10:00~17:00(最終日16:00まで)

NHKギャラリー
福岡市中央区六本松1-1-10
NHK福岡放送局2F  TEL:092-724-7001
◉作品解説 11:00〜   15:00〜

Posted in 書のこと コメントをどうぞ

超えられなかった話

先日とある書の作品展に出品しました。
毎年、参加している作品展です。

自分の作品が表装されてどのようになったのかは
見に行くまでわかりませんので、会場に行って実際に
確かめるまではいつも心配です。(なんせ小心者なので)
今回は特に。

というのも、最終的に表装して展示されたものより、
書き始めて何枚目かの発展途上のモノの方が
自分の中ではずっと良かったからです。
でも、師にアドバイスを受けて赤マジックで
書き込みをしてしまったのでそれは出せない(泣)
まあ、まだ時間あるしこれから書き込めばもっといいのが出来るやろ!
そう自分に言い聞かせ、さらに枚数を重ねましたが、
結局それを超えられず……。

平昌オリンピックで羽生選手がフリーの演技が終わった後
「勝った〜〜!!」と何度も叫んでたけど、
あれは自分に勝ったと言ってたんですよねぇ。
羽生くん、偉か〜〜。

負けた〜〜〜!!

もっと精進いたします。。。



Posted in 書のこと コメントをどうぞ

本物を観る

九州国立博物館へ
心待ちにしていた書展を観に行ってきました。
「王羲之と日本の書」です。



王羲之(おうぎし)は4世紀の中国の貴族で
書の歴史に偉大な足跡を残した人物です。
楷書・行書・草書の各書体を洗練させ、
現代に至るまで書法の最高の規範となったことから
「書聖」とあがめられています。
私のような書に携わっている者からすればまさに神様のような存在。

ただ、彼の自筆は人災や天災などによりすでに無く、
現存のものは、双鉤填墨(そうこうてんぼく)という原本の上に薄い紙を置いて
輪郭を写し取りその中を塗りつぶすという技法で複写されたものです。

王羲之の書は本等でこれまでも多く見てきていますが
やはり実物(本当は実物ではないのですけどね)は重みがちがいます。
1700年以上も前の世の人物が残したものから
現代の私たちが何を読み解き、如何に学ぶべきか…
まさに温故知新という言葉の重みを思いました。

会場内の箇所箇所に王羲之や空海など書の歴史を語る上で
重要な人物たちをイラスト化してマンガのように
わかりやすく解説してあります。

気になったみなさま、よかったら是非足を運んでくださいませ!
4/8(日)まで開催されています。


Posted in 書のこと コメントをどうぞ